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パーキンソン病になると、どんな症状が出てきますか?
初期から見られる代表的な運動症状は、運動緩慢、振戦、筋強剛です。その他にも精神症状(うつ、幻覚)、自律神経障害(便秘、夜間頻尿)、感覚障害(疼痛)、睡眠障害(不眠、日中の眠気)などの非運動症状が見られます。しかし、これらの症状がすべての患者さんで見られるわけではありません。
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パーキンソン病は遺伝する病気ですか?
遺伝性のパーキンソン病は全体の5~10%程度だと言われています。しかし、遺伝子自体が病気を引き起こすわけでなく、環境要因(生活習慣や薬物などの影響)や加齢の影響を受けて発症すると考えられます。つまり、パーキンソン病は遺伝要因や環境要因が複雑に絡み合って発症すると言えます。
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パーキンソン病を診断するため、どのような検査がありますか?
運動緩慢、振戦、筋強剛はパーキンソン病の代表的な症状ですが、パーキンソン病以外の病気でも同様の症状を呈することがあります。そのため、頭部MRIでパーキンソン病以外の病気を示す所見がないかを確認したり、ダットスキャン、MIBG心筋シンチグラフィーなどの核医学検査で脳内のドパミン神経や心臓内の交感神経の状態を評価したりして、総合的に診断が行われます。補助的ににおいの検査を行う場合もあります。
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パーキンソン病には、どのような治療がありますか?
パーキンソン病の治療法には、レボドパ製剤によるドパミン補充療法を中心とした薬物療法、脳深部刺激療法やレボドパ・カルビドパ持続経腸療法などの機器(デバイス)を用いるデバイス補助療法などがあります。患者さん自身が楽しみながら継続して行うリハビリテーションも重要な治療です。
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パーキンソン病のお薬はいつ頃から飲むべきですか?パーキンソン病は寿命に関わりますか?
現在では、障害が固定する前に早期からパーキンソン病のお薬を始めることが推奨されます。パーキンソン病と上手く付き合うことで、パーキンソン病でない人の寿命と大きく変わらないと言われています。また、専門医がパーキンソン病の治療を行うことで、患者さんの予後が良くなるという報告もあります。
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食事で気を付けることはありますか?
パーキンソン病のお薬(レボドパ製剤)は蛋白質、ビタミンB6、牛乳と一緒に摂ると、お薬が吸収されにくくなり、効果が弱まることがあります。一方で、柑橘類や酢の物、レモン水のような酸性の食べ物や飲み物は、パーキンソン病のお薬の吸収を高めます。お酒はパーキンソン病の進行にはあまり影響がないと考えられており、適量であれば飲んでも問題ありません。
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リハビリテーションはいつ頃から始めるべきですか?
リハビリテーションとしては、有酸素運動による体力維持、筋肉と関節の柔軟性維持のための運動、筋力維持のための運動、姿勢や歩行の改善を目指した運動などがあります。これらのメニューを早期からバランス良く行うことで、パーキンソン病の進行を抑制できる可能性が示唆されております。
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パーキンソン病の症状が進行した場合、どのような社会的援助が受けられますか?
パーキンソン病が進行し、介護や入院が必要になった場合には、複数の公的支援制度を受けることができます。具体的には、難病医療費助成制度、介護保険制度、身体障碍者福祉法などがあります。公的支援制度は年齢や収入、重症度により受けられる制度が異なりますので、ご不明点は主治医にご相談下さい。