第27回日本ヒト脳マッピング学会のシンポジウムで講演を行いました
2025.03.10
2025年3月7日~8日に東京で開催された第27回ヒト脳マッピング学会で神経内科の関医師がシンポジストをつとめました。
シンポジウム4「脳内恒常性維持機構とその破綻」で「α-synucleinopathy におけるglymphatic system」というタイトルで講演を行いました。
*glymphatic systemとは
近年、病理学、分子生物学の発展により、ほとんどの神経変性疾患はアミロイドβ、α-シヌクレイン、タウ蛋白などの特定の蛋白質が障害部位に異常蓄積するプロテイノパチーとして理解されるようになり、蓄積する蛋白質は治療標的ともなっています。これまでは異常蓄積する蛋白質の産生および分解の機序について多くの研究がなされてきましたが、近年、脳の外への排出機構、排泄の障害が注目されています。脳以外の臓器で老廃物の除去、細胞外に蓄積した蛋白質の除去に役立っているのがリンパ管、リンパ液です。かつては脳内にはこのようなシステムは見つかっていませんでしたが、現在、glymphatic system、meningeal lymphatic systemに代表される脳リンパ系というシステムが見つかっており、それらの機能不全と神経変性疾患の関係性の研究が進んでいます。